2014-01-01から1年間の記事一覧

ユーロ消滅

ウルリッヒ・ベック「ユーロ消滅?」の備忘メモ 経済学という異質な領域で私がさまよっているのではなく、経済学が自ら対象としている社会というものを忘れているのである(まえがきviii) 議論を支配している経済学的な助言は、政治的・社会的側面に対する…

映画「インタビュー」上映中止について思う

ソニー・ピクチャーズの映画、「インタビュー」が上映中止に追い込まれた。それに対する、同社のCEOのコメントが酷く傲慢に思われる。2005年にアレクサンドル・ソクーロフの映画「太陽」をモスクワ川近くの小さな映画館で見た時の衝撃を思い出した。そこでは…

「ホモ・ルーデンス」からの引用

古代文化のなかでは、詩人の言葉はまだ非常に強い活力を持って表現手段であった。そのころは、詩は単なる文学的情熱の満足という以上に幅広い、生気ある機能を充たしていた。祭祀を言葉に置き換え、社会の諸関係を調停し、知恵、法律、道徳の担い手となって…

消費税増税の決め方

今回消費税を上げるか否かに関して、甘利経済相の「首相の判断を待つ」との発言報道あり。事実上、「政府が決める」=「首相が決める」ということなのだろうが、何となく違和感あり。以前からこういう表現(「政府が決める」ではなく「首相が決める」)が公…

構造改革の本丸

全然進んでいるように見えない構造改革―アベノミクスの三本目の矢。一挙に本丸を切り崩せば、あとは自ずと地滑り的に変化するのではないだろうか?(放談モード)私が思うに、問題の岩盤は「正規雇用社員の終身雇用制」であり、これを壊せばあとはオセロゲー…

Berlin

ベルリンの壁が崩壊して25周年。ベルリンの壁が崩れたとき、自分は壁の向こう側にいて、壁の遥か奥にて(ソ連邦レニングラード)、事態がうまく呑み込めなかった。ベルリンで働くためモスクワから引っ越してきたのが2000年4月末。あれからそろそろ15年経つ。

最強の資産

ここ5年ぐらいのタームでみると、じっくりと分析したわけではないが、日本円とスイスフランの現金保有が相対的に一番良いリターンだったのではないかと思う。昨年ぐらいから円安が始まったけれども、スイスフランの強さは今のところ変化なし。ユーロに引きず…

C.I.A.試験

三連休はCIA試験PART3対策で終わってしまった。 もっぱら練習問題を解いていたのだけれども、 相変わらず?な問題が結構多い 英語からの翻訳のため(特に日本語には冠詞がないため)、質問の趣旨がよく分からないケースあり 「ひっかけ」問題がある等、 スト…

宝クジと株式投資

宝クジを購入するのは苦手だ。楽して一攫千金を目指していることを人前に晒すのが苦痛なのだ。このことを会社の同僚に話したところ、「でも、XXさんは株式投資やってるじゃない」と切り返された。確かに「株式を購入する」こと自体に後ろめたさは全く感じな…

C.I.A.試験

CIA試験のPart1とPart2を二週連続で受験しました。結果はPart1(内部監査の基礎)は合格、Part2(内部監査の実務)は不合格でした。両方とも準備を始めて2−3か月での受験ですが、ABITUSの講義を聞いて練習問題を一度解いた程度では簡単には合格できないと…

民主主義国での格差

平等普通選挙の仕組みがあり安定的に運用されている社会でなぜ経済格差が広がるのか…。完璧な平等というのは現実的ではないし、それを目指すこともろくなことにならないのだろうとは思うが、アメリカや日本の民主主義が他国より優れているとは言い切れないの…

遊びとしてのゴルフ

ホイジンガの「ホモ・ルーデンス」中公文庫118ページからの引用。 …たとえば、ゴルフボールがホールインワンしたということではなくて、遊びが成功した、うまくいったという観念的事実である。この「成功」が、遊ぶ者に対して長短の差はあったとしてもしばら…

「ホモ・ルーデンス」からの引用

「ホモ・ルーデンス」I章の「文化現象としての遊びの本質と意味」で引用されているプラトーンの「法律」の一節 (アテーナイの人)いままでは人々は、真面目なことも遊びのためでなければならないと思っていますね。たとえば、戦争は真剣なことで、平和のた…

ホイジンガと青年文法学派

ホイジンガの「ホモ・ルーデンス」を読み始める。「解説」を読んでいて、ホイジンガは最初は言語学を研究していたこと、1895−96年にはライプチヒ大学に滞在し、青年文法学派のブルークマン、ヴィンディシュ、レスキーンといった面々と交流していたことを知る…

「スターリン言語学」精読

岩波現代文庫、田中克彦の「スターリン言語学」精読、を読了。1950年8月2日付け「プラウダ(ПРАВДА)」上で、スターリンが批判しているマルの理論の中にあるという「言語素材とむすびつかないむきだしの思想」にドッキリさせられた。大学の言語学のゼミ…

なぎさホテル

伊集院静の「なぎさホテル」読了。おとぎ話のようなつかみどころのないふわふわとした読後感。ほとんどお金を持っていない20代の若者を受け入れるホテル、しかもそのホテルは年に一度皇太子夫妻をランチに迎える由緒あるおんぼろホテルという設定なのだ。…

白ロシア、赤ロシア、黒ロシア

ベラルーシ、以前は白ロシアと呼ばれていた。なぜ白なのか、黒、赤は無いのかと思っていたら、有りました。東スラブの南部が赤ルーシ(今のウクライナ)、北部は黒ルーシ(今のロシア)、そして西部が白ルーシ(ベラルーシ)と呼ばれていたらしい。もともと…

ウクライナとEUのAA締結に関するCEPSのレポート

http://www.ceps.be/book/prospect-deep-free-trade-between-european-union-and-ukraineロシアの反応(Geopoliticalな視点)、ロシアとウクライナへの間の経済・金融・政治的な繋がりを切ることのコストなどを、ブリュッセルの官僚は考えなかったのだろうか…

ウクライナ問題(備忘)

去年の今頃、ウクライナが現在のようなことになるとは全く想像していなかった。自分の想像力なさ、洞察力の欠如が恥ずかしい。今ここで、この「唐突」に大問題となってしまったウクライナ問題を整理しておきたい。今回のウクライナ問題を調べてみて出てきた…

「ことばとは何か」言語学という冒険

「ことばとは何か」副題:言語学という冒険、田中克彦著を読了。言語学の対象としての「ことば」をくっきりと説明してくれていると思う。でも、そうやってしっかり対象を捉まえた後に何をするのか?ことばとは何か (ちくま新書)作者: 田中克彦出版社/メーカ…